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2014年10月31日

気味の悪い物語を読みたくなる事が稀にある

三日連続で書籍の紹介をするのはかれこれ何年振りになる事でしょうか。

読書の秋らしく、皆様も存分に秋の夜を満喫している事だと存じます。

さて、本日の一冊。

気味の悪い物語を読みたくなる事が稀にある

「共生虫」
著者 村上 龍

第36回谷崎潤一郎賞受賞作品です。

著者の村上龍の説明は言わずもがな、その作品の内容により好き嫌いがはっきり分かれるタイプの小説家です。

勿論、僕は好きですよ。

この作品は「ひきこもり」と「インターネット」というキーワードがまずあり、発表された当時の時代性を象徴した文学の一つです。

体内に謎の「虫」を宿した、引きこもり青年ウエハラ。彼はネットを通じ、インターバイオと名乗るグループから、その虫が殺戮と種の絶滅を司る「共生虫」であると教えられる。選ばれた存在であることを自覚した彼は、生贄を求めて外の世界に飛び出してゆく。

まぁはっきり言って後味の悪い救いの無い物語です、が、僕は妙に惹かれるんです。

ある種の暴力性は人間の本質を明確に写し出します、そこには人間本来の生存本能が深く関わってるように思います。

だから暴力性というのは誰しも魅了するのではないでしょうか。

村上龍の作品を読むと何故か僕は孟子の「性善説」荀子の「性悪説」とう言葉が頭を過ります。

恐いもの見たさで読んでみてはいかがでしょう。

今日も一日お疲れ様でした。






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Posted by Fzeraf at 22:31│Comments(0)本棚
 
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